「商学部金田一助教」

という名の小説です。「文学部唯野教授」を尊敬してます。仕事をしつつ,小説を書いてます。一部,公開してみようと思いまして。出版野心あり。出版社等のかた,よろしくお願いします。

世の中に片付くなんてものはない

いつからこんなに守銭奴になっちゃったかなあ。

将来の不安から、何か買うと、買った後にこんなん買って大丈夫だったかな、と、一瞬いやな心持ちがする。ただ、次の瞬間には、諦めの境地にはいって、考えない、という逃げ道をひた走る。買い物を楽しむ人がいるなんて、人種が違うとしか思えない。

それにしてもいやな想像をしてしまった。きっかけは、いつもはつながる母の携帯にかけたところ、電源が切られていたようで、つながらなかったことだ。一瞬、将来を悲観して自殺なんてしてないよな、と不吉な考えが浮かんで消えた。背筋がぞっとする。

親のことを思うと、心臓のあたりが、ぞわぞわする。暴力をふるった父と、守ってくれた母。30代になってもなお、親と向き合うのは精神的にきつい。

いつになったら、どうしたら安心して暮らせるようになるのだろうか。

今は雇い主から毎月給料をもらっているが、子供にかかるカネや、金銭感覚がザルな両親に渡すお金を考えると、終わりがみえない。夏目漱石の道草を思い出す。いつになっても片付かないものなのか。人の欲というのは、おそろしいものだ。